原理講論 (ロ) ヨシュアを中心とする実体基台
(ロ) ヨシュアを中心とする実体基台
モーセが磐石を二度打つことによって、イスラエル民族が磐石を中心とする「出発のための摂理」をもってカナンに復帰しようとした目的は完遂されなかった。しかし、モーセが磐石を二度打つことによって(民数二〇・1~13)、サタンが外的には侵入したが、レピデムにおける磐石の水の基台によって、内的にはそのまま磐石の水を出し、イスラエル民族に飲ませることができたという事実から、先に明らかにしたように、次のような、神の摂理に対応する、いま一つの路程を見せてくださったのである。すなわち、イスラエル民族の中で、サタン世界であるエジプトにおいて出生し、荒野路程で不信に陥った、外的なイスラエルに属する人たちは、偵察四十日を信仰をもって立てたヨシュアとカレブを除いては、全部が荒野で倒れてしまい、磐石の水を飲み、幕屋を信奉する、荒野生活中に出生した内的なイスラエルだけが、モーセの代理であるヨシュアを中心として、カナンに入ったという事実である(民数三二・11、12)。
(「盤石」とはキリストを顕していますから、これはお父様になります。更に、「幕屋」とは、お父様が遺してくださった「八大教本」になります。)
そして、神はモーセに、彼はカナンの地に入ることができないと言われ、「神の霊のやどっているヌンの子ヨシュアを選び、あなたの手をその上におき、彼を祭司エレアザルと全会衆の前に立たせて、彼らの前で職に任じなさい。そして彼にあなたの権威を分け与え、イスラエルの人々の全会衆を彼に従わせなさい」(民数二七・18~20)と語られた。
ヨシュアは、偵察四十日期間に不信に陥ってしまった全イスラエル民族の中で、モーセが立てた幕屋のための「信仰基台」の上に雄々しく立ち、変わらざる信仰と忠節をもって、「幕屋のための基台」を造成し、最後までそれを信奉した、たった二人のうちの一人であった。このように、たとえモーセは不信に陥っても、石板と幕屋と契約の箱とは、依然としてヨシュアが立てた「幕屋のための基台」の上におかれていたのである。