後退の兆し ☞☞ 習近平 権力集中はしたが苦しい出発 「一帯一路」を言及しなくなった
異例の三期目に入った習近平
〝異例の3期目〟突入で習主席「一帯一路」への熱意低下 外交・国防・貿易で目立った3つの変化(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
記事の内容
【習独裁の死角】
「異例の3期目」に突入した習近平総書記(国家主席)にとって、「外交」「国防」「貿易」で目立った変化は3つある。
【地図】中国が南シナ海で進めている軍事拠点化
第1に、「戦狼外交」の修正をしながらも、このことは沈黙している。
中国歴代王朝で外交部は軽い存在でしかなく、外交畑の人間が活躍できる場面は限られていた。しかし、実質的には「中国外交の強硬路線修正」が顕著となった。国際的孤立を恐れる証拠である。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の孤独が教訓となった。
王毅外相が、習氏の覚えめでたく「戦狼外交」で世界に名を売って政治局員に出世したものの、戦狼路線をトーンダウンさせた。
第2が、巨大経済圏構想「一帯一路」への熱意を無くしたことだ。「マスク外交」の効果なく全世界から中国は嫌われ、「一帯一路は債務の罠(わな)」と評判は芳しくない。習氏自身も「一帯一路」を言及しなくなった。
この点には注目しておくべきだ。
米国の対中姿勢の大転換を受け、中国が強硬路線を続けて対決姿勢を取ることにマイナスを見いだしたのだ。
安倍晋三元首相の暗殺に「万歳」と祝した中華思想のねじ曲がった性根、腐った心は治癒の見込みがないが、「穏健」を擬装する演技には舌を巻かされる。
第3に、中国とロシアが主導する上海協力機構(SCO)が求心力を失ったことだ。
加盟国に、イラン、トルコ、インドが加わり、求心性が低下し、「中国外交の荷物」となった。かといって、中国がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対抗した、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定も成果は芳しくない。高関税、コロナ、ウイグル問題でサプライチェーン寸断。孔子学院廃校、スパイ摘発が続き明るい展望がない。
メッキはことごとく剥げ落ちた。
中国3隻目の空母「福建」が進水したが、甲板は空、レーダー設備なしの「晴れ姿」。搭載される戦闘機はステルス性を高め、ミサイル充実の予定とか。宇宙では一部技術で米国を凌駕(りょうが)したが総合力で劣る。
しかも、中国人民解放軍は中越戦争以後、実に半世紀、実戦経験がないのだ。本当に戦えるのか?
米国は宇宙軍を創設し、次のデジタル戦争に備える。ハッカーもやられっ放しの状態から、米国は中国の手口をマスターし、先制防御型攻撃へ移行する。つまり米国が戦争直前にハッカーを仕掛けて、中国軍の指揮系統を無効にする作戦の準備に入ったとみられる。 =おわり