平和の主人 血統の主人

まさに、成約時代の毒麦となられたお母様

《 黙示録18章 3-10 節 》

3 地の王たち(幹部たち)は彼女(お母様)と姦淫を行い、地上の商人たち(教会長たち)は、彼女の(高額献金を得た)極度のぜいたくによって富を得た。

7 彼女(お母様)は心の中で『わたしは女王の位についている者であって、やもめではないのだから、悲しみを知らない』と言っている。

10  彼女(お母様)の苦しみに恐れをいだき、遠くに立って言うであろう、『ああ、わざわいだ、大いなる都、不落の都、バビロンは、わざわいだ。おまえ(お母様)に対するさばきは、一瞬にしてきた。

第四章 (32)深い山奥に細い道を通した平和の天使たち  P.164  (世界平和を愛する世界人として  文鮮明自叙伝)


世界平和を愛する世界人として  文鮮明自叙伝
  第四章 私たちの舞台が世界である理由・・・アメリカへ雄飛


(32)深い山奥に細い道を通した平和の天使たち  P.164


 私たちが死ぬ前に、必ず子孫に残しておかなければならないものが二つあります。一つは伝統であり、もう一つは教育です。伝統のない民族は滅んでしまいます。伝統とは、民族を結ぶ魂であり、魂の抜けた民族は生き残ることができません。もう一つ、重要なものが教育です。子孫に教育をしなければ、その民族は滅びます。教育は、学問・芸術など新しい文物を吸収することを通して、世の中で生きていく力を得るものです。人は教育を通して生きる知恵を学びます。文字が分からないときは誰もが幼稚なままですが、教育を受ければ、世の中の知恵を活用できるようになります。また、教育は世の中の仕組みを理解する英明さをもたらしてくれます。数千年間続いた私たちの伝統を子孫に伝える一方、新しい文物を教育することは、民族の未来を開くことにつながります。受け継いだ伝統と新しい文物は生活の中で適切に融合され、独創的な文化として再生します。伝統と教育は、どちらがより重要で、どちらがより重要でないと言うことはできません。二つを適切に融合させる知恵も教育から得られるのです。


 私は、舞踊団をつくった後、「リトルエンジェルス芸術学校」(その後、仙和芸術学校と改称)も作りました。学校を作ったのは、芸術を通して私たちの理想を広く世界に連結させるためです。私たちに学校を運営する能力があるかどうかは二の次の問題でした。私はまず実行から入りました。意義が明確で良いことなら、当然始めなければならないでしょう。天を愛し、人を愛し、国を愛する教育をしたいと思ったのです。


 私は仙和(ソンファ)芸術学校を作り、「愛天、愛人、愛国」というとても大きな揮毫(きごう)を残しました。すると、ある人が「韓国固有の文化を世界に誇ると言いながら、どうして愛国を最後にしたのか」と尋ねてきました。私は「ある人が、天を愛し、人類を愛したなら、その人はすでに、そのことによって国を愛したのです。愛国はおのずと完成します」と答えました。

 全世界から尊敬される人は、すでに韓国を世界万邦に伝えたと言えます。世界各国を訪れ、韓国文化の卓越性を見せながらも、リトルエンジェルスは一度も「コリア」を叫びませんでした。しかし、リトルエンジェルスの踊りを見て拍手を送る人たちの心の中には、「文化と伝統の国、韓国」というイメージがしっかりと根を下ろしています。そういう意味で、リトルエンジェルスは、他の誰よりも韓国を広く世界に知らせて、愛国を実践したのです。仙和芸術学校出身で世界的なソプラノ歌手となった曺秀美(チョスミ)(スミ―・ジョー)と申英玉(シンヨンオク)、そして世界最高のバレリーナとなった文薫淑(ムンフンスク)(ジュリアン・ムーン)と姜秀珍(カンスジン)の公演を見るたびに、私は心が満たされます。


 リトルエンジェルスは、一九六五年のアメリカ公演をはじめとして、今に至るまで世界を駆け巡って韓国の美しい伝統を披露しています。イギリス王室に招待され、エリサベツ女王の御前で公演を行い、アメリカ独立二百周年の行事に招待され、ワシントンDCのジョン・F・ケネディ・センターの舞台に上がったこともあります。ニクソン米大統領の前で特別講演も行い、ソウル・オリンピック文化芸術祝典にも参加しました。リトルエンジェルスは、すでに世界的に名のある平和の文化使節です。


一九九〇年にソ連を訪問した時のことです。ゴルバチョフ大統領との会談を終え、その地を離れる前夜、リトルエンジェルスの公演が開かれました。共産主義の牙城(がじょう)であるモスクワのど真ん中に、韓国の幼い少女たちが立ったのです。韓服を着た天使たちは、韓国の踊りを終えた後、美しい声でロシア民謡を歌いました。客席から「アンコール」が連呼され、いつまでたっても舞台を降りることができませんでした。結局、準備した合唱曲すべて歌い終えてから下りてきました。


 客席には、ゴルバチョフ大統領令夫人のライサ女史が座っていました。当時、韓国とソ連は正式な国交を結んでおらず、そのような国の文化公演にファーストレディーが出席するのは、極めて異例な事でした。さらに、客席の前方に座ったライサ女史は、公演の間中、終始大きな拍手を送ってくれました。ライサ女史は、公演が終わると舞台に上がってきて、団員に直接花束を渡し、「リトルエンジェルスこそ平和の天使です。韓国にこれほど美しい伝統文化があるとは知りませんでした。公演を見ている間、幼い頃に帰って夢を見ているようでした。」と韓国文化の素晴らしさに賛辞を惜しみませんでした。そして、リトルエンジェルスの団員を一人一人抱き寄せて「My Little Angels!」と言いながら頬にキスをしてくれました。


 一九九八年には、純粋な民間芸術団体として初めて北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を訪問し、三度も公演を行いました。かわいらしい新郎新婦の踊りも踊り、華やかな扇の舞も踊りました。公演を見ている間、北朝鮮の人たちの目には涙がにじんでいました。この時、新聞記者は、こらえきれずに涙を流す北の女性の姿をカメラに収めています。公演を見終えた金容淳(キムヨンスン)・アジア太平洋平和委員委員長は、「深い山奥に小さな細い道を開いた」と称賛しました。


 リトルエンジェルスがしたことはまさにそれです。これまで背を向け合っていた南北が一箇所に集まり、一緒に公演を見ることができるという事実を初めて証明したのです。人々はよく政治や経済が世の中を動かすと考えますが、そうとも言えません。文化や芸術も世の中を動かす力を持っているのです。人々の心の最も深い所に影響を与えるのは、理性よりも感性です。受け入れる心が変われば世の中が変わり、制度も変わります。リトルエンジェルスは、韓国の伝統文化を世に知らせる役割をしただけでなく、自由圏と共産権という異なった世界の間に小さな道を作る役割も十分に果たしました。


 私はリトルエンジェルスに会うたびに、「心が美しければ踊りが美しくなる。心が美しければ歌が美しくなる。心が美しければ顔が美しくなる」と言っています。真の美しさは内側から滲(にじ)み出るものです。リトルエンジェルスがそうやって全世界の人々に感動を与えたのは、韓国の踊りの中に溶け込んでいる韓国の伝統や精神文化が美しいからです。ですから、リトルエンジェルスが受けた拍手喝采(かっさい)とは、つまるところ韓国の伝統文化が受けた拍手喝采なのです。


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